築60年木造建てで、冬場にはすきま風がそこかしこから入り込む我が家がネズミの被害に合うのは今回が初めてではありません。昔ながらの古民家のため、あちこちに外気を取り入れるための隙間が設けてある我が家にネズミが入り込むのはたやすいことなのでしょう。ネズミ被害の対策はまずは侵入させないことが重要です。しかし、すでに侵入してしまったネズミはどのように対処すればよいのでしょうか。

ネズミによる被害とは
ネズミは雑食性なので人間の食べ物やペットフードなどを食べ散らかします。家具の隙間など見えないところで糞尿を巻き散らかすので不衛生になり、ネズミに寄生するノミやダニによる被害も発生します。食べ物や生ごみ・臭いのするゴミなど、台所などにそのまま置いておくと食べられたり、散らかされたりします。まずはネズミの餌となるようなものを置かない、食パンやパスタなど袋に入っただけのものはさらにタッパーや缶に入れるなどして、ネズミの近づきにくい場所しまう、目に届くところに置かないことは基本です。しかしながら、食べるものが見つからなくても電源コードや電話線などをかじることがある為、設備の損壊や通信障害、最悪の場合には火災が発生する原因にもなります。真夜中にドタバタ、カリカリと音をさせるので騒音で寝不足になったり、精神的なダメージも被害の一つと言えるかもしれません。また、ネズミの種類によっては人間の指先をかじったりもします。抵抗のできない赤ん坊や寝たきりの老人などがいるご家庭では注意が必要です。
被害例:
- 食物を荒らされる
- 糞尿被害
- ノミ・ダニ被害
- 設備損壊(ケーブル断線)
- 騒音被害
- 人間をかむ
家ネズミの種類って?
一言にネズミ被害といってもネズミにも種類があります。人家の付近で生息しているものは家ネズミとよばれ、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類を指します。ドブネズミは体が大きく体長25cmくらい、耳が小さく尾が体長よりも短いのが特徴で、夜行性です。クマネズミはドブネズミと体の大きさはやや小さく体長は20cmくらいで、ドブネズミより耳が大きく尾は体長と同程度か少し長いのが特徴で、こちらも夜行性です。ハツカネズミは体長9cmくらいで腹部の色が背中より白っぽく、ハツカネズミは昼も夜も活動します。
- ドブネズミ…大きくて耳が小さい
- クマネズミ…大きくて耳が大きい
- ハツカネズミ…小さくて日中も活動

どんな解決方法があるの?
ネズミの被害が発生したら、寿命まで放っておくというわけにはいきません。家ネズミの寿命は約2~3年ですが、1年間で5,6回出産し、1回で5匹程度出産するため、1年で30匹くらい増えてしまいます。ネズミ算式にという言葉があるように、生まれた子供たちがさらに出産を繰り返すととんでもない数になってしまいますので、被害の少ないうちに対策をとる必要があります。
それでは解決方法にはどのようなものがあるのでしょうか。ネズミ対策の方法を見ていきましょう。
- 専門業者に駆除の依頼をする
- 天敵で追い払う
- 臭いで追い払う
- 超音波で追い払う
- 毒餌で退治する
- 捕獲トラップで退治する
専門業者に依頼する
やはりその道のプロに任せるのは安心感が違います。豊富な知識と技術で捕獲後の処置なども的確に行ってもらえます。捕まえたネズミの処分など、自分ではできない方や頑張ってもネズミを退治できなかった場合などはプロに任せるのもいいかもしれませんね。業者にもよりますが、捕獲後のケアとして消臭や消毒、糞尿の掃除が作業に含まれていたり、ネズミ被害が再発生した場合など一定期間内であれば追加料金無しで駆除してもらえるなど、プロならではの心配りがみられます。
しかしながら専門業者に依頼した場合の料金は10~30万円くらいと相場も様々なようですので、専業者に依頼を考えておられる方は、まずは見積もりを依頼してみてはいかがでしょうか。

天敵で追い払う
ネズミの天敵といえばネコですね。ネコは手ごろな大きさであるネズミを見つけると狩猟本能を掻き立てられて捕まえようとします。もちろんそれは狩りをして食料とするための行動なのですが、近頃のペットとして飼われているネコの中にはネズミを捕まえようとしないネコもいるようです。またネズミには寄生虫がいたり病原菌を持っていたりするので、ネコがネズミを食べてしまった場合に、病気に感染したり食中毒になってしまうおそれがありますので注意が必要です。大切な家族の一員を危険にさらすわけにはいきませんよね。
ネコ以外にもイタチやヘビ、フクロウなどがネズミの天敵といわれています。古い我が家は過去にイタチが入り込んでネズミを追いやったこともあり、しばらくネズミはいなくなりましたが、その一方でしばらくイタチによる糞尿被害に悩まされました。
またある時は、ネズミを捕食しようとしたのか天井裏にヘビが入り込み、 ネズミ用の粘着トラップにヘビがくっついていたという笑えないこともありました。

臭いで追い払う
ネズミはワサビやハッカなどのハーブや防虫剤、天敵であるネコの臭いなどが嫌いと言われています。ホームセンターなどでも天然ハーブを使用した忌避剤が販売されています。これらは効果は一時的なもののため、ネズミを追い払った後に侵入経路を断つ必要があります。

超音波で追い払う
人間には聞こえない高い周波数の音波を発信し、ネズミを追い払います。ホームセンターや通販でも見かけますが、すごく効き目があったという人から、まったく効果なしという人まで評判は様々です。実際に試してみたところ、即効性の効果は見られませんでしたが、いろいろ調べたところ、居心地が悪くなって逃げだすようで、例えば餌が潤沢にあるなど居心地の悪さを我慢してでも残る価値がある場合は逃げ出さないのだとか。
超音波の装置も数千円のものから数十万円と様々ですので、高価なものはそれなりに効果があるのかもしれません。しかしながら、超音波は普通の音よりも届く範囲が狭いようなので、設置場所にも気をつかわなければならないようですし、最初は効果があってもそのうち慣れてしまうとの意見も見られました。こちらも一度追い払ったら二度と戻れない様、侵入経路を塞ぐなどの対策が必要ですね。

毒餌で退治する
ネズミ退治で有効な方法に殺鼠剤を使用するという方法があります。有名なデスモアなどはピンク色でおなじみなので見たことのある方も多いと思います。ネズミは用心深いのでこれらを設置後もすぐには食べないこともあるようです。ネズミが好むような臭いの強いソースや油など調味料をたらしておびき寄せたり、場所を変えてみたりと工夫が必要です。
殺鼠剤を使用する方法はかなり有効な手段ではありますが、欠点もあります。殺鼠剤を食べたネズミが死ぬと、ネズミに寄生してたノミやダニなどが宿主を離れて移動するため、家の中で死なれるとノミやダニによる被害が発生してしまう可能性があります。また、毒餌を食べたネズミを飼いネコが食べると中毒を起こす恐れがあるため、ネコを飼っている家庭では注意が必要です。
殺鼠剤を使用することで稀に毒に耐性を持ったネズミが現れる場合があります。そうなると毒餌での退治が通用しない個体が増えていくことになりかねません。毒餌での退治はここぞという時に使用したいですね。
捕獲トラップで退治する
やはりネズミ退治で最もポピュラーなのは捕獲トラップを使用する方法です。カゴのタイプで餌をとろうとすると入り口が閉まって生け捕りするタイプや、粘着シートで動けなくして捕獲するタイプのものなどいろいろあります。
トラップに使用する餌はネズミの好物を用意しますが、個体差があるため実際に被害に合った食品があればそれを餌にして、物陰になるような場所に設置します。設置後はネズミの警戒心を解くため、すぐにかからなくても1週間程度はそのまま設置して様子を見ます。
ネズミは壁際を通ることが多いため、粘着シートは壁際に敷き詰めるように設置します。ネズミの通り道は大体決まっているので、痕跡が見られる場所には重点的に設置します。糞が見つかったらその場所にシートを設置し、糞をいくらかシートにまいておくのもポイントです。また、ネズミは体が汚れているので、粘着につきにくいこともあるので、粘着シートの回りに新聞を敷いておくことも有効です。

まとめ
ネズミ対策としてまずは家に侵入させないこと、ネズミの餌となる食品はできるだけ目につく場所に置かないことが基本です。
ネズミが居ついてしまった場合はネズミ算式に増える前に速やかに退治することです。
退治方法についてはいろいろな方法がありましたが、過去にも何度かネズミ退治をした我が家で最終的に落ち着いたのは、捕獲トラップの一つである粘着シートによる捕獲の方法でした。
そして最後に侵入経路となった場所を塞いでおくことが、次の被害に合わないためにも必要です。
短期間勝負で確実にネズミを退治する自身がない場合は専門業者に相談しましょう。
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